サーバーの世界ではLinuxに代表されるオープンソースのソフトウェアが伸長し、デスクトップPCにも次第に進出しつつある。Apple自身がMac OS Xにもオープンソースを取り入れるなどしている中、DTPにおいて、これはさほど目立った動きではない。しかし、まずは大規模に組版を行っている会社(印刷会社など)向けに、協調作業用のファイルサーバーとしてLinuxサーバーが導入されつつある。
レイアウトソフトとしては、アスキーが自社向けに開発し、後に無償公開したEditor's Work Bench(EWB)が挙げられる。これはFreeBSDやLinuxなどUNIX系OS上で動作する、TeXをベースにした組版システムで、編集者(Editor)の作業による高速組版を念頭に置いている。バッチ処理を得意とするため、定型パターンの繰り返しとなる書籍やマニュアル類などに威力を発揮する(一方で、WYSIWYGな操作性が要求されるような、不定形の誌面構成の書籍には向かない)。現在のところ、強力なアプリケーション、たとえばAdobe Illustratorに相当するようなベクトルグラフィックツールなどが無いことから、オープンソースのみで固めたDTPシステムの構築は難しいと言える。そうした状況のため目立った動きは無いが、他の分野での実績から考えると無視できない存在であろう。