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WindowsDTPの台頭

DTPにおいては、世界のオペレーティングシステム市場の9割を占めるWindowsではなく、Macintoshが圧倒的シェアを占めている。その要因としては、多くのDTPソフトがまずMacintosh向けに作られたことなど、DTPに使うための環境が整っていたことが挙げられる。

WindowsのDTPではTrueTypeフォントが使われることが多いが、スプライン曲線を使うTrueTypeは、ベジェ曲線を使うPostScriptフォントに比べ多彩な曲線の表現において見劣りがした点や、無数のTrueTypeフォントが乱立しデファクトスタンダードとなるフォントベンダーが出現しなかった点(これにより、データの標準化が困難となる)、ほかにも様々な要素がある。

しかし顧客の要望がMicrosoft Wordで作成したビジネス文書を印刷する、というものであるとすれば、印刷会社が「それはDTPではないので、うちではできない」と言うことはできない。印刷会社がWindows対応をしていく中、Windows向けDTPソフトも次第に充実していった。ただし、同じアプリケーションでも完全な互換性が確保できず、Windows版で作ったデータをMacintosh版で開くと文字がずれているなどの現象が時におきていた。それには(特に日本では)なによりもフォントの問題が係わっていた。WindowsとMacintoshでは採用している文字セットが異なるため、特に英数字や外字において完全な互換性を維持できなかったのである。また、横組みでは問題なくとも縦組みの箇所のみ画面表示に問題がある、などの例もあった。

和文フォントのトップベンダーとなっていたモリサワからはViewフォントと呼ばれる、Windows上で組版をする際に同社のPostScriptフォントを指定できるフォントが販売されて一定の支持を受けていたが、英数字などの互換性がないという問題があった。

しかし昨今においては、OpenTypeフォントと、それに対応したレイアウトソフトの登場によって新しい状況が生まれつつある。その急先鋒はAdobe社のInDesignである。いち早くOpenTypeに完全対応したこのアプリケーションは、同じバージョンで同じOpenTypeを使っている限り、Windows版とMacintosh版で完全な互換性があり、OpenTypeの各機能を扱えることや、同社のAdobe IllustratorやAdobe Photoshopなどとの操作感やファイルの共通性を武器に市場占有率を拡大していった。

新たにDTP部門を立ち上げるなど新規の設備投資においては、Windows版が伸びている。現に、地方自治体による市政だよりなどの内製化においては、WindowsとMacintosh間における文字セットの差異の問題、異なるOSを並行稼動させるコスト・スキルの問題などのためにWindows版が主に導入されている。

現在MacintoshDTPとの比較において、唯一の欠点がカラーマネージメントの歴史が浅くカラーマネージメント対応製品も多くない、そもそもデバイスの種類が多すぎてプロファイル管理が難しいなどの問題である。そのため品質が求められる高級印刷物などでWindowsが用いられることはない。ただし、これもIndesignやPhotoshop、Illustratorに搭載されているAdobe Color Engine(ACE)を利用したワークフローを構築すれば解決する問題であり、またCMYKの数値が印刷物でどのように表現されるかを、「勘」「感覚」によって作業するオペレータも少なくないため、カラーマネージメントそのものを重視しない(利用しない)ケースも散見される。

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